『痔主襲名。』 第3回:トイレに棲む悪魔:血と汗と涙の惨劇

『痔主襲名。』 第3回:トイレに棲む悪魔:血と汗と涙の惨劇

【ご案内】 本連載は、一個人の体験に基づく参考情報です。私は医療の専門家ではありません。症状には個人差がありますので、違和感がある場合は自己判断せず、速やかに専門医(肛門科)の門を叩くことを強く推奨いたします。

目次

爽やかな朝の「ルーティン」が消えた日

人間、健康な時ほど「ルーティン」のありがたみを忘れるものです。私にとって朝起きてすぐのお通じは、一日を始めるための輝かしい儀式でした。モーニングコーヒーの前に、まずはお腹をスッキリさせる。そんな至福の時間は、あの日を境に「恐怖のカウントダウン」へと変貌しました。

お尻を痛めてからというもの、トイレのドアを開けるたびに私の脳内では不穏なBGMが流れ始めます。なぜなら、排便という行為が、せっかく塞がりかけた傷口を自らこじ開ける「セルフ切腹」に近い儀式になってしまったからです。

案の定、お尻を拭けば鮮血が付き、便器の中は「事件現場」のように赤く染まる日々。その状態が数日続くと、お尻の内部は炎症で腫れ上がり、物理的に「出口が狭くなる」という最悪の交通渋滞が発生し始めました。そこには、私の意志では制御不能な「悪魔」が棲みついてしまったかのようでした。

意を決した「いきみ」の代償

出勤時間は迫っていますが、肝心の「ブツ」は腫れ上がった関所を越えられずに停滞しています。私は意を決し、文字通り命を懸けて「いきむ」という暴挙に出ました。

「……っ!!」

何とか先頭の固い部分を押し出すと、その後を柔らかい便が通り抜けていきます。ふぅ、と溜息をついたのも束の間、お尻からは血が滴り、熱い火を吹くようなヒリヒリ感が襲いかかってきます。その痛みを抱えたまま車を運転し、険しい顔をしてデスクワークに励む。この時、私の意識の8割は仕事ではなく、完全にお尻の「復旧作業」に割かれていました。

さらに翌朝。痛みは「ヒリヒリ」から「激痛」へと進化を遂げていました。便座の上で「ハウッ!」「ヒッ!」と、言葉にならない悲鳴を漏らし、頬には一筋の涙が伝わります。その姿は、深夜の砂浜で必死に命を繋ぐ「カメの産卵」そのもの。私は一体、前世でどんな罪を犯したというのでしょうか。

禁断の「一日おき作戦」という失策

このまま一生、毎朝泣きながら排便し続けるのだろうか。そんな絶望に駆られた私は、ある「名案」を思いつきました。

「出すから痛いんだ。回数を減らせばいいじゃないか」

翌朝、私は意図的にトイレをスルーしました。するとどうでしょう。あんなに痛かったお尻が、一日を通して比較的平穏に過ごせるではありませんか。「なんだ、これが正解だったのか!」と、私は自分の天才的な解決策に酔いしれました。

しかし、その油断は翌朝、さらなる悲劇となって跳ね返ってきます。 一日熟成された便は、体内の水分を吸い尽くしてカチカチの「岩石」へと進化。ウォシュレットの水を当ててふやかそうとし、周囲を指で揉んでグリグリと刺激してみるものの、岩は頑として動きません。

格闘の末にひねり出した結果は、言うまでもなく血と汗と涙にまみれた惨劇でした。

辿り着いた「お尻ファースト」の境地

この泥沼の試行錯誤を経て、私は一つの真理に辿り着きました。

「ブツは、固くなる前に出すべし」

そしてもう一つ。「急いではいけない」ということです。 出勤前の慌ただしい時間に「早く出さなきゃ」と力を入れるから、お尻は悲鳴を上げるのです。自意識過剰なほどの「いきみ」は、恐怖のスパイラルを加速させるだけでした。

私は翌日から、さらに早起きをすることを決めました。 十分な時間を確保し、いきまず、焦らず、お尻の機嫌を伺いながらゆっくりと事を済ませる。効率を愛する私が、人生で初めて「出すこと」だけに30分を捧げる覚悟を決めた、記念すべき朝の記録です。


【本日の教訓】 

・鉄は熱いうちに打て、便は柔らかいうちに出せ!排便を我慢しても、痛みは後払いで利子がついて返ってきます。

・朝の余裕は、お尻の余裕。早起きは三文の徳と言いますが、痔主にとっては血の一滴を守るための生命線です。

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