ドラマや映画で、悪人の隠し資産や不正の証拠として「裏帳簿」が登場することがあります。
見つかれば自分の首を絞めることになるのに、なぜわざわざ記録を残しておくのでしょうか。用事が済んだら処分してしまえばよさそうなものです。
気になったので、自分なりに理由を考えてみました。
調べてみると、裏帳簿を残す背景には、お金の管理や共犯者との関係、保身など、いくつかの事情が考えられます。もちろん、すべての不正が同じ方法で行われるわけではありませんが、ドラマで裏帳簿が登場する理由も見えてきます。
不正なお金の動きを管理するため
まず考えられるのが、お金の流れを把握するためです。
例えば、誰からいくら受け取ったのか、誰にいくら渡したのか、手元にどれだけ残っているのか。こうした情報をすべて頭の中だけで覚えておくのは大変です。
金額が大きくなったり、取引が長期間にわたったりすれば、記憶違いも起こりやすくなります。
正規の帳簿に記載できないお金であっても、管理する側にとっては数字を把握しておきたいものなのでしょう。
不正を続けるために記録が必要になるというのは、何とも皮肉な話です。
共犯者とのお金のトラブルを防ぐため
複数の人間が不正に関わっている場合、お金の分配をめぐって揉めることも考えられます。
例えば、誰がいくら受け取る約束だったのか、経費として誰がいくら負担したのか。こうした認識が食い違えば、仲間同士で疑い合う原因になります。
そこで、取り分や支出を記録しておけば、約束した内容を確認できます。
もちろん、裏帳簿があれば必ずトラブルを防げるわけではありません。それでも、関係者が多いほど、記憶だけに頼るのは難しくなりそうです。
不正を隠すために協力しているはずなのに、お金の管理では記録に頼らざるを得ない。そんな状況も想像できます。
自分の身を守るために残している可能性もある
裏帳簿には、自分自身を守るための意味があるのかもしれません。
例えば、上司や有力者の指示で不正に関わっていた人物が、何かあったときに自分だけ責任を押しつけられることを恐れていたとします。
その場合、誰が何を指示し、誰が関わっていたのかを示す記録は、自分の主張を裏付ける材料になり得ます。
また、相手に不正の事実を知られたくないという弱みがあるなら、記録を交渉材料として手元に残しておこうと考える人物もいるでしょう。
ただし、実際に記録を保身や脅しに使うかどうかは、その人物の立場や状況によって異なります。
なぜ用事が済んだら処分しないのか
ここまで考えてみると、裏帳簿をすぐに処分できない理由も見えてきます。
不正が一度きりで終わらず、継続している場合は、過去の記録を確認しながら新しい取引を管理する必要があります。共犯者との約束を確認したり、以前の金額と照らし合わせたりすることもあるでしょう。
また、自分が捜査や調査の対象になるとは思っていなかったり、記録が見つかる危険を軽く考えていたりする可能性もあります。
一方で、実際には記録を処分する人もいるはずです。ドラマに登場する裏帳簿は、あくまで物語の展開に合わせて描かれている面もあると考えられます。
裏帳簿は不正を解明する手がかりになる
裏帳簿が見つかると、ドラマでは一気に事件が解決へ向かうことがあります。
実際にも、不正なお金の流れを記録した資料は、調査の手がかりになり得ます。ただし、記録が見つかっただけで、書かれた内容のすべてが事実だと確定するわけではありません。ほかの資料や関係者の証言などと照らし合わせて、事実関係を確かめる必要があります。
今回、自分なりに考えてみて、裏帳簿は単に不正の証拠というだけでなく、お金を管理したい気持ちや、仲間を信用しきれない心理などから生まれるものなのかもしれないと思いました。
悪事を隠すために始めた記録が、結果的に自分たちの行動を明らかにする手がかりになってしまう。そう考えると、ドラマや映画で裏帳簿が重要な役割を果たすのも、少し納得できますね。


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