【ご案内】 本連載は、一個人の体験に基づく参考情報です。私は医療の専門家ではありません。症状には個人差がありますので、違和感がある場合は自己判断せず、速やかに専門医(肛門科)の門を叩くことを強く推奨いたします。
私の痔主ライフにおける、最大の難敵
私のお尻を一番苦しめていたのは、 便秘ではなく、圧倒的に「下痢」でした。
当時の私は、毎週のように下痢に見舞われていました。お尻からとめどなくあふれてくる水のような便に、文字通り手を焼いていたのです。ゆるゆるの軟便でお尻に優しいと思わせておいて、突然「ブビィー!」と襲い掛かる下痢は、映画『レオン』の悪徳捜査官そのものでした。普段は静かなのに、突然キレる。 ちなみに、私の好きなハリウッド俳優は「ゲーリー・オールドマン」と「ベン・アフレック」です。いや、本当に。「クレイジーな人間」や「カッコ悪い人間」を演じられる俳優って凄いですよね。
以前から軟便気味だったこともあり、「自分はそういう体質なのかな」と半ば諦めていました。平日にゴロゴロとお腹が痛くなることもあったため、てっきり仕事のストレスが原因だとばかり思っていたのです。
しかし、長引くお尻の痛みに耐えかねて、原因を本気でプロファイリングし始めたある日、私は奇妙な法則に気が付きました。 「平日に下痢になることもあるけれど、よくよく思い返すと、土日になる回数の方が圧倒的に多くないか……?」
さらに詳しく分析を進めると、決まって「食後数時間後」にお腹が痛くなっていることが分かったのです。
至福のレビュータイム、その裏で
私には、週末のささやかな、しかし最高の楽しみがありました。 それは、コンビニ各社の「新商品」をチェックすること。とにかく新商品に目がなく、毎週土日になるとコンビニに行っては、弁当やスイーツの新顔を買い込むのがルーティンになっていました。
休みの日、誰に会うわけでもない開放感の中、ニオイや背徳感なんて一切気にせず、好きなものを好きなだけ食べる。
もちろん、食後のデザートも欠かしません。近年のコンビニスイーツのレベル向上には目を見張るものがあります。ホイップクリームがこれでもかと詰まったケーキやシュークリームなど、ちょうどいい甘さのミルク感たっぷりな逸品を堪能する時間は、まさに至福のひとときでした。
「今週の新作も、実にハイクオリティだぁ……」
自分なりに脳内でレビューを繰り広げ、大満足で週末を過ごす。しかし、思い返せば毎週、食べているもののラインナップは似たり寄ったりでした。
そう、私は知らなかったのです。 自分の大好きなものだけを詰め込んだこの「週末ご褒美フルコース」こそが、お腹の中で、あの二大名優(ゲーリー&ベン)の豪華共演に繋がるレッドカーペットになっていたということを。
お尻を守るための「セルフ・アナリティクス」
そこで私は、自分の「お昼ごはん」と「3時のおやつ」で食べたもの、そして下痢の有無を細かく記録し、本格的なアナリティクス(要因分析)を始めました。
まず、お昼ごはんに食べたものと下痢の共通点を調べていくと、ある事実が浮かび上がってきました。どうやら私は、「ニンニク」や「タマネギ」を食べるとお腹が痛くなる体質であるらしいのです。 何もガッツリ大盛りのニンニク料理を食べた時だけではありません。ガーリックというやつは、実にあらゆる市販の商品に「隠し味」や「風味付け」として紛れ込んでいます。ほんの少し入っているだけでも、私のお腹は敏感に反応していたのです。
同様に、3時のおやつについても分析を開始しました。すると、大好きなホイップクリームたっぷりのケーキやシュークリームなど、「生乳」を使った製品を食べたときにもお腹が痛くなりがちだということが判明しました。コンビニスイーツのレベルが年々上がっており、あのミルク感たっぷりな味わいが至福の時だったのですが、私のお腹にとっては別の意味でレベルが高すぎたようです。
原因さえ分かれば、対策が打てます。 わたしの場合、これら「ニンニク」「タマネギ」「生乳」が入っている商品を食べる量を減らすことで、劇的に下痢になる頻度が減っていきました。今では食べ物を買うとき、必ずパッケージの裏(原材料名)を見て、自分の体質に合わない材料が使われていないか確認してから購入する徹底ぶりが身についています。
傷口を焼き尽くす、恐怖のメカニズム
「下痢と痔の関係」について、大手製薬会社の専門サイト(ボラギノールの天藤製薬さんが運営する『ボララボ』など)を調べてみたところ、私のこの下痢対策は、お尻を守る上で大切だったことが分かりました。
「下痢は柔らかいからお尻に優しいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「下痢こそが痔の最大の敵」なのだそうです。
下痢便は出てくる勢いが強いため、その水圧がデリケートな傷口を直撃して物理的な大ダメージを与えます。 さらに、下痢は超特急で腸を駆け抜けてくるため、本来なら途中で中和されるはずの強力な「消化液」が未消化のままお尻に到達します。この消化液の刺激が、癒えかけていたお尻の傷口を化学的に容赦なく攻撃し、症状を長引かせる原因になっていたのです。
つまり、私がお腹を下すたびに、お尻の傷口は「高圧洗浄」と「酸のプール」のダブルパンチを食らっていたわけです。痔が長引いていたのにも頷けます。
体質は人それぞれなので、下痢になる原因も人それぞれだと思います。もし長引くお尻の痛みに悩んでいるなら、まずは自分が「何を食べて下痢になっているのか」を細かく分析してみるのが、お尻の平穏への一番の近道かもしれません。
ニンニクと生乳による映画さながらのディザスター(大災害)。自ら進めたアナリティクスによって真犯人に気づき、パッケージ裏をじっと凝視するようになった私の週末は、こうして静かに、しかし確実に変化していったのでした。
【本日の教訓】
- 硬い便が「物理攻撃」なら、下痢は「化学兵器」。 柔らかいからと油断してはいけません。未消化の消化液を伴ったゲーリーの破壊力は、お尻の傷を一撃で消し飛ばします。
- お尻を守る第一歩は、パッケージの裏にある。 体質は人それぞれ。まずは自分の「食べたもの」と「下痢」の記録をつけ、原因をプロファイリングしましょう。隠し味のガーリックや生乳など、お腹に合わない成分があなたのお尻を狙っているかもしれません。


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