これまでの人生で一度もトレーディングカードというものを買ったことがありませんでした。カードゲームといえば子供たちが遊ぶもの、あるいは一部の熱狂的なコレクターが追い求めるものという遠い世界の出来事だと思っていたのです。しかし、大谷翔平選手がメジャーリーグに移籍し、毎日のように試合中継を眺めるようになってから、私の心境に変化が訪れました。画面越しに見るスター選手たちの名前やプレーを覚えていくうちに、何か形に残る記念が欲しくなったのです。
そんな折、近所のコンビニエンスストアに立ち寄ると、レジのすぐ横にTopps社の「2026 Series 1 ジャパンエディション」がぶら下がっていました。大谷選手の写真が載ったそのパッケージを見た瞬間、気がつくと3パックを手に取って会計を済ませていました。これが私の記念すべき初購入です。
最初の数パックに隠れていた衝撃
帰宅してさっそく袋を破ってみると、中から出てきたカードの美しさに驚きました。特に目を引いたのが、ドジャースのムーキー・ベッツ選手のカードです。ただのカードではなく、背景に「鯉」が描かれた日本限定のデザインでした。野球カードに和のテイストが融合したその独特の雰囲気に、一瞬で心を奪われてしまいました。
この1枚で完全に火がついてしまいました。翌日、同じコンビニへ向かい、さらに2パックを追加で購入。すると今度はアストロズのホセ・アルトゥーベ選手の鯉デザインが出てきました。ベッツ選手もアルトゥーベ選手も、メジャーを代表する超一流の選手です。ビギナーズラックという言葉がありますが、自分自身の引きの強さに少し怖さを感じるほどでした。
しかし、世の中そんなに甘くはありません。翌々日に三度目の正直と同じお店を訪れたところ、昨日まで棚に残っていたはずのパックがすべて売り切れていました。どうやら私と同じように、この日本限定版を狙っているファンが近所にもいたようです。
ドン・キホーテでの再会と大本命
一度火がついた収集欲は簡単には収まりません。今度は少し足を延ばして、生活雑貨を扱うドン・キホーテまで探しに行きました。棚の隅にパックを見つけたときは、まるで宝物を見つけたような気分でした。ここでさらに3パックを購入。
開封してみると、ついにその時が来ました。エンゼルスのレジェンドであるマイク・トラウト選手の鯉デザイン、そして何より欲しかったドジャースのユニフォーム姿の大谷翔平選手のベースカードが現れたのです。今のメジャーリーグを象徴するスターが手元に揃った瞬間、この趣味を始めて本当に良かったと実感しました。
予期せぬ伝説との遭遇
そして今日、再びドン・キホーテを訪れて手にした3パックの中に、これまでのカードとは明らかに手触りが異なる1枚が混ざっていました。それが「HEAVY LUMBER HL-12 Ken Griffey Jr.」です。
一見すると木の板のようなデザインで、手に持つと少し厚みがあります。調べてみて驚愕しました。これは伝説の選手ケン・グリフィー・ジュニアのカードで、封入率が極めて低い特別な1枚だったのです。90年代のメジャーリーグで絶大な人気を誇り、イチロー選手にも影響を与えたと言われるレジェンドの激レアカードを、右も左もわからない初心者が引いてしまうとは。運をすべて使い果たしてしまったのではないかと不安になるほどでした。

健全な趣味として続けるために
数日の間にこれほど豪華なカードが揃ってしまい、トレーディングカードの持つ魔力のようなものを身をもって知りました。次に何が出るかわからない期待感、パックを開ける瞬間の指先の感覚。これは確かにハマってしまうと危険な魅力があります。
特に、インターネットで検索すればいくらでも魅力的なボックスや限定品が出てきます。指先一つで決済できてしまう通販は、今の私には少し刺激が強すぎると感じました。だからこそ、今後は「実店舗で偶然見つけたときだけ、数パック買う」というマイルールを徹底しようと考えています。
お店を巡る過程も、歩く理由になりますし、売り切れていれば「今日は縁がなかった」と諦めるきっかけになります。手に入らない時間があるからこそ、次に出会えたときの喜びが大きくなるのだと思います。
これからの楽しみ方
手元にあるベッツ、アルトゥーベ、トラウト、大谷、そしてグリフィー。これらのカードは、単なるコレクション以上の価値を私に与えてくれました。今は、これらを傷つけないように保護するための専用ケースを探すのが楽しみの一つです。
通常の厚さのカードについては「35pt」というサイズのホルダーで良いそうですが、今回のグリフィーの厚みがあるカードには、特別な「55~75pt」というサイズのホルダーが必要なことも学びました。道具を揃え、綺麗に並べて眺める。これからは「買う」ことだけでなく、「整えて鑑賞する」時間を大切にしていきたいです。
山本由伸選手やフリーマン選手のカードもいつかは手にしたいという希望はありますが、焦る必要はありません。毎日の試合放送を楽しみながら、またどこかの街角で新しいカードに出会える日を気長に待つことにします。
今回の経験で、トレーディングカードは単なるコレクションではなく、野球というスポーツをより身近に感じさせてくれるツールなのだと気づかされました。適度な距離感を保ちながら、この奥深い世界を少しずつ歩んでいこうと思います。












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