ふらりと立ち寄ったスーパーのお菓子売り場。色とりどりのパッケージが並ぶ光景は、いつ見てもワクワクしますね。今日は新商品をチェックするだけのつもりだったのですが、棚を眺めているうちに、ある表示が目に留まりました。
同じように見えるチョコレートのパッケージに、チョコレートと書かれたものと、準チョコレートと書かれたものの2種類が存在していることに気づいたのです。今まで何度も手に取ってきたはずなのに、その一文字の違いに意識を向けたことはありませんでした。気になって調べてみたところ、そこには明確な基準がありました。
チョコレートと準チョコレートの境界線
この違いの正体は、カカオの含有量でした。法律上のルールによって、配合されるカカオの割合で呼び名が厳密に分けられているのです。
まずチョコレートと名乗れるのは、カカオ成分が35パーセント以上のものを指します。カカオマスやココアバターがたっぷり使われているため、口の中に入れた瞬間に滑らかに溶けていくのが特徴です。カカオ本来の香りをしっかり楽しみたいときは、こちらを選ぶのが正解ということになります。
一方で準チョコレートは、カカオ成分が15パーセント以上のものを指します。チョコレートに比べるとカカオの割合は低めですが、その代わりにミルクや砂糖、植物油脂などがバランスよく配合されています。
「準」と付くと、なんだか「正式ではない」というような印象を持ってしまうかもしれません。しかし、これは決して品質が劣っているという意味ではなく、お菓子としての役割の違いから生まれた区分なのだそうです。
それぞれの得意分野と代表選手
この違いを知ってから改めて製品のラインナップを見てみると、メーカーの使い分けが実に見事であることに驚かされます。
チョコレートの代表格といえば、いわゆる板チョコです。明治やロッテのミルクチョコレート、森永のダースなどは、チョコそのものの風味や口どけを重視するため、この区分に属しています。ナッツが入ったアーモンドチョコレートなども、チョコ部分の質感を大切にするために、この高い基準を満たしているものが多いです。
それに対して準チョコレートは、食感に特徴があるお菓子に多く採用されています。例えば、きのこの山やたけのこの里、チョコボール、小枝といった、スナックやクッキーと組み合わさった製品です。
準チョコレートは温度変化に強く、手で持っても溶けにくいという性質を持っています。だからこそ、サクサクした食感を楽しむスナック菓子との相性が抜群なのです。もし、これらの製品に非常に溶けやすい本格的なチョコレートを使ってしまったら、袋の中でベタベタになってしまうかもしれません。用途に合わせて最適な素材が選ばれているというわけですね。
アイスのコーティングに使われているチョコも、パリッとした食感を出すために準チョコレートが活躍しているケースが多いそうです。身近なお菓子たちが、実は計算し尽くされた素材選びによって成り立っていることを知り、感心してしまいました。
ハイカカオの謎
最近よく耳にするハイカカオという言葉についても調べてみました。健康を意識して選ぶ人も増えていますが、実はこれには法律による明確な数値の定義はないそうです。
一般的には、カカオ分が70パーセントを超えるものがそう呼ばれる傾向にあります。72パーセントや86パーセントといった具体的な数字が大きくパッケージに書かれているのをよく見かけますね。カカオの割合が高くなればなるほど、砂糖やミルクの量が減り、カカオ特有の苦味や酸味が際立ってきます。
ハイカカオを名乗る製品は、当然ながらチョコレートの基準である35パーセントを大きく超えているため、名称欄には必ずチョコレートと記載されています。甘いものが苦手な人や、ポリフェノールを積極的に摂りたい人にとっては、この数値が大きな目安になります。
苦味が強いタイプは好みが分かれるところですが、コーヒーのように産地ごとの個性を楽しむような、少し大人な味わい方があるのも面白いなと感じました。
買い物をもっと面白くするために
今回の一件で、お菓子売り場を見る目が少し変わりました。これまではパッケージのデザインや、期間限定という言葉に惹かれて選ぶことがほとんどでしたが、「準」の表記の有無でどのような商品なのか予測して選択できるようになりました。
今自分が食べたいのは、口どけのいい濃厚なチョコなのか、それともサクサクした軽快なチョコ菓子なのか。その気分に合わせて「チョコレート」と「準チョコレート」を意識的に選び分けることができれば、いつものおやつタイムが少しだけ充実するような気がします。
スーパーの棚には、まだまだ知らない面白いルールや工夫が隠れているかもしれません。普段何気なく通り過ぎている場所でも、視点を変えて観察してみると、意外な発見があるものです。












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