最近、スーパーやコンビニ、パン屋さんなどで「生○○」という言葉をよく見かけませんか?「生食パン」や「生チョコレート」、「生キャラメル」など、本当にたくさんの「生」があふれていますよね。
でも、この「生って一体何を意味しているんだろう?」「普通の〇〇と何が違うんだろう?」そう気になったことはありませんか?今回は、そんな疑問を解決すべく、様々な「生○○」に込められた意味を一緒に探っていきましょう!
「生」が持つ意味とは?
私たちが普段目にする「生」という言葉は、実はその使われ方によっていくつかのニュアンスを持っています。
加工度の低さ、新鮮さ
例えば「生卵」や「生ビール」は、加熱処理をしていない、あるいは最低限の処理しかしていない状態を指します。鮮度や本来の風味を重視する意味合いが強いですね。
とろけるような食感、なめらかさ
「生チョコレート」や「生キャラメル」に代表されるように、口の中でとろけるような柔らかさや、なめらかな舌触りを表現する際に使われます。水分量が多く、通常の製品よりも柔らかいのが特徴です。
焼いていない、加熱していない
「生パン」や「生カステラ」など、焼かずにそのまま食べることを想定している場合や、通常のパンやカステラとは異なる、しっとりとした食感を強調する意味合いで使われます。
具体的な「生○○」を見てみよう!
具体的な「生○○」を見てみよう!
では、いくつか具体的な「生○○」を例に挙げて、その「生」が持つ意味を深掘りしてみましょう。
生食パン
これは近年大ブームになりましたね。一般的な食パンよりも水分量が多く、焼かずにそのまま食べてもしっとり、もっちりとした食感が楽しめます。「生」は焼いていない状態でも美味しい、柔らかい食感を強調しています。
生卵
これは最も分かりやすい例でしょう。加熱調理をしていない、採れたままの状態の卵を指します。新鮮さが重要であり、日本の「卵かけご飯」のように生で食べる文化があるからこその呼称ですね。
生ビール
こちらも加熱処理をしていないビールを指します。酵母が生きた状態であるため、よりフレッシュで豊かな風味を楽しむことができます。
生チョコレート
通常のチョコレートよりも生クリームの割合が多く、口の中でとろけるようななめらかな食感が特徴です。「生」は柔らかさ、なめらかさを表現しています。
生キャラメル
一般的なキャラメルよりも水分が多く、常温では柔らかく、口に入れるととろけるような食感です。「生」はとろけるような舌触りを強調しています。
生ハム
加熱せずに塩漬けや燻製などの加工を施し、熟成させたハム。特有の風味ととろけるような食感が特徴です。
生そば
茹でていない、生の麺のそば。茹でる前の麺の風味や食感を重視します。
生うどん
生そばと同様に、茹でていない生のうどん麺を指します。
生パスタ
乾燥させていない、手打ちや機械で作られた生のパスタ。もちもちとした食感が特徴です。
生わさび
加工されていない、生のわさび。擦りたての香りと辛味が格別です。
生しらす
釜揚げなどの加熱処理をしていない、新鮮な状態のしらす。漁れたてでしか味わえない鮮度が魅力です。
生麩
生の小麦粉から作られる麩。もちもちとした独特の食感があり、お吸い物や煮物に使われます。
生マシュマロ
通常のマシュマロよりも柔らかく、とろけるような食感のマシュマロ。生クリームやゼラチンで作られます。
生ピーナッツ
加熱処理をしていない、生のピーナッツ。炒ったり茹でたりして食べることが多いですが、新鮮なものを「生」と表現することがあります
食品以外の「生○○」の例
生コンクリート(生コン)
これはよく耳にする言葉ですね。セメント、水、砂、砂利などを混ぜ合わせ、固まる前のドロドロとした流動性のある状態のコンクリートを指します。工場で練り混ぜられ、ミキサー車で工事現場に運ばれ、型枠に流し込まれて初めて固まります。固まっていない状態、加工前の状態を表しています。
生写真(なましゃしん)
主にアイドルや芸能人の写真で使われることが多い表現です。修正や加工がほとんどされていない、撮影されたままのオリジナルの写真を指します。ファンが手に入れることが多いのは、印刷されたものですが、加工前の「そのまま」という意味合いが込められています。
生録音(なまろくおん)
音楽の録音現場などで使われることがあります。多重録音や編集をほとんど加えず、スタジオやライブ会場で一発で録音された音源を指します。加工されていない、ありのままの音を重視する意味合いです。
生演奏(なまえんそう)
音源やCDではなく、実際に楽器を演奏している状態を指します。生の音、ライブ感を重視する際に使われます。
生中継(なまちゅうけい)
テレビやラジオなどで、事前の録画や録音ではなく、その場で起きている出来事をそのままリアルタイムで放送すること。加工や編集を挟まない、時間の流れをそのまま伝える意味合いです。
生(なま)の声
加工されていない、脚色されていない本音や率直な意見を指します。「お客様の生の声を聴く」といった使われ方をします。
これらの例を見ると、食品以外の「生○○」も、「ありのままの状態」や「特定の工程を経ていない状態」を示すという共通点があることが分かります。言葉の面白さですね。
まとめ
昔からある「生○○」は「そのまま」や「加工していない」という意味合いのものが多いようです。
昨今のブームで増殖している「生○○」はそれらとは意味が異なり、柔らかさを強調するための「生」のようです。柔らかいものには、とりあえず「生」を付けておけ!という安直なネーミングである可能性が高そうです。
次に「生○○」を見かけたら、その「生」がどんな意味を込めて使われているのか、ぜひ考えてみてください。きっと、もっとその生○○が魅力的に感じられるはず!?
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