ネット通販の支払いでPayPayを利用することが、最近増えてきました。ボタン一つで決済が完了する手軽さは、一度慣れてしまうとなかなか手放せません。先日もあるショップで買い物をした際、支払い方法にPayPayを選びました。
そのショップは注文のタイミングで即座に決済される仕組みではなく、在庫の確認や発送の準備が整った段階でショップ側が処理を行う運用だったようです。注文から数日が経過し、ちょうど仕事に集中していた午後のことでした。手元のスマートフォンに一通の通知が届きました。
「支払いが完了しました」
その一言を見て、ああ、あの注文がようやく進んだんだなと軽い気持ちで通知をタップしたのが、すべての始まりでした。
マナーモードを貫通する情熱的な演出
通知をタップした瞬間、スマートフォンの画面が切り替わり、おなじみのPayPayのホーム画面が開きました。そこまでは想定内だったのですが、次の瞬間に起きた出来事は、静まり返った事務所の空気を一変させるには十分すぎる破壊力を持っていました。
「スクラッチチャンス!」
元気いっぱいの、あまりにも張りのある音声が、事務所の四隅まで届くような大音量で響き渡ったのです。周囲のキーボードを叩く音が止まり、数人の同僚がこちらを振り返ったような気配を感じました。
慌てて音量を下げようとボタンを連打しましたが、なぜか音量は変わりません。スマートフォンのスピーカー部分を手で必死に押さえ込み、画面を伏せて、何事もなかったかのような顔をしてやり過ごすしかありませんでした。
実は、スマートフォン自体はしっかりとマナーモードに設定してありました。それどころか、念のためにメディア音量もゼロに絞ってあったはずなのです。それなのになぜ、あんなにも堂々と音が鳴り響いてしまったのでしょうか。
決済アプリ特有の「絶対に鳴らす」仕様
後で調べてみて分かったことですが、PayPayの決済に関わる音には、独自の仕様があるようです。通常、動画やゲームの音は「メディア音量」として扱われますが、支払い完了の合図やそれに付随する演出音は、マナーモードや本体の音量設定を無視して出力されるケースがあるのです。
これには、店舗での決済時に「確かに支払いが完了したこと」を店員と利用者の双方が耳で確認できるようにするという、防犯や確認の意味合いが含まれているのだとか。仕組みとしては理解できますが、オンラインショッピングの通知を後から開いた際にもその情熱的演出が適用されてしまうとは、完全に計算外でした。
あのスクラッチ演出は、当たればポイントが戻ってくるという嬉しい機能ではあるものの、時と場所を選ばないその全力投球な姿勢には、少しばかりの戸惑いを感じざるを得ません。
悲劇を繰り返さないための設定見直し
二度と同じ失敗を繰り返さないために、すぐにアプリ内の設定を見直すことにしました。PayPayアプリの「アカウント」から「音量設定」に進むと、支払い完了音や演出の音量を個別に調整できる項目が見つかります。
これを左端までスライドさせて、最小限の音量に変更しました。この設定を行っても、完全に無音にすることは仕様上難しいようですが、少なくとも「事務所中の注目を集める」レベルの大音量からは解放されます。スピーカーを指で押さえれば、隣の人にも気づかれない程度の小さな音まで抑え込むことができます。
また、そもそも仕事中などの静かな場所では、通知が来ても安易にタップしてアプリを開かないのが一番の安全策だという教訓も得ました。通知のプレビューだけで金額や完了の旨は確認できるので、あのワクワクする演出を堪能するのは、休憩中や帰宅後の楽しみに取っておくのが大人の余裕というものです。
現代の落とし穴と向き合う
今回の出来事は、便利なデジタルツールが普及した現代ならではの落とし穴でした。技術が進歩して生活が豊かになっても、それを使いこなす側には、思いもよらない場所で「仕様」という名の洗礼を受ける瞬間が訪れます。
恥ずかしい思いもしましたが、これでまた一つ、デジタルデバイスとの賢い付き合い方を学ぶことができました。設定も万全に変更し、次回の注文ではどんなタイミングで通知が来ても、もう慌てることはありません。
注文した商品が届くのを待ちながら、次はもっと冷静に、そして静かに「支払い完了」を噛みしめようと思います。皆さんも、静かな場所でPayPayの通知を開く際は、くれぐれも音量設定の確認をお忘れなく。












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