「うんうん」「はいはい」が逆効果? 相槌のコツを見直す
「相槌は大事」と教わってきた私。 相手の話に「うん」「はい」とこまめに頷くことで、真剣に聞いている姿勢を示してきました。特に叱られている場面では、数秒に一度、素早く頷くことで誠意を伝えようとしていたのです。
しかし、ある日こんな言葉を投げかけられました。
「わかったふりばかりして、全然聞いてないんじゃないの?」
真剣な気持ちは伝わらず、むしろ「早く終わらせたい」という不誠実な印象を与えていたのです。 この経験から、「聞き上手になる方法」はたくさん頷けばいいというものではないと痛感しました。
相槌のコツは「量」より「質」──心で返すリアクション
相槌とは、単なるリアクションではなく「心の会話」。 相手の言葉を受け止め、理解し、そして返す──そのプロセスこそが、聞き上手になるための第一歩です。
頷きのスピードと深さ
頻繁で素早い頷きは、相手の言葉を「聞き流している」ように見えてしまいます。 本当に大切な話を聞くとき、頷きの回数を減らし、代わりにゆっくりと、深く頷く。 その「間」が、言葉の重みを噛みしめている証になります。
言葉と表情の連動
ただ「はい」と繰り返すだけでは不十分。 感情がこもった部分には「そうですね」と共感を示し、重要な話には真剣な表情で応える。 言葉を伴わない相槌でも、神妙な面持ちでじっと聞く姿勢は「あなたの話を真摯に受け止めています」という強いメッセージになります。
沈黙の力──言葉を超える最高の相槌
最も大きな気づきは、「沈黙」も相槌であるということ。 相手が考えを巡らせている時、無理に言葉や頷きを挟む必要はありません。 ただ静かに目を見て、次の言葉を待つ──それだけで「あなたの言葉を待っていますよ」という最高の相槌になります。
沈黙の力は、言葉以上に信頼を築くこともあるのです。
相槌は「心で聞く」ための手段──聞き上手になる方法の本質
私たちはつい、言葉や動作で気持ちを伝えようとしがちです。 でも本当に大切なのは、相手の話を心で聞き、その心に寄り添うこと。 相槌は、そのための手段にすぎません。
これからも、一つひとつの相槌に心を込めて、人との「心の会話」を大切にしていきたいと思います。
コメント