お正月セールという魔物に敗北しました。気がつけば手元には、遊びきれるはずのない数のゲームタイトルが並んでいます。格安の文字に躍らされて「いつかやるから」と自分に言い訳をしながら購入した結果、私のライブラリはかつてないほどの厚みを増してしまいました。
いわゆる「積みゲー」というやつです。難易度の高いアクションゲーム、いわゆる死にゲーに熱中しすぎて心身ともに疲れ果ててしまったことがあり、その反動で「気楽に遊べそうなもの」を買い漁ったのも一因かもしれません。
このままでは、せっかく手に入れた名作たちが一度も起動されることなく、デジタル世界の藻屑となってしまう。そんな危機感から、私は自分専用の「積みゲー管理ノート」を作成することにしました。これが意外にも、ただのリスト作り以上の効果をもたらしてくれたので、その体験を共有したいと思います。
見える化で積みゲーの多さにビックリ
まず取り掛かったのは、現状の把握です。自分が何を所有していて、それがどんな状態にあるのか。これを可視化するだけで、積んでいることへの漠然とした罪悪感が「攻略すべきタスク」という前向きなエネルギーに変わります。
私のノートでは、単純なタイトル名の羅列に加えて、以下の四つの状態を記載するようにしました。「未プレイ」「プレイ中」「クリア済み」、そして「一旦保留」です。
特に重要なのが「一旦保留」という項目です。ゲームを始めたものの、今の気分に合わなかったり、謎が解けなくて行き詰ったり、面倒くさくなったり、操作が難しくて手が止まってしまったりすることはよくあります。それを「積んでいる」とネガティブに捉えるのではなく、「今はその時ではない」と公式に認めてあげる。これだけで、ゲームを中断することへの後ろめたさが驚くほど軽くなりました。
また、優先順位をつけることも欠かせません。話題の新作から遊ぶのか、それともずっと気になっていた旧作から消化するのか。自分の今の「やりたい気持ち」を数値化して並べる作業は、それ自体が一種のゲームのようで楽しいものです。
プレイ予想時間という物差し
リストを作っている中で、一つ新しい視点を取り入れました。それが「クリアまでのおおよその時間」をメモしておくというルールです。これが管理ノートの利便性を一気に引き上げてくれました。
ゲームの世界は広大です。百時間を超える大作オープンワールドもあれば、数時間でエンディングを迎えられる珠玉のインディーゲームもあります。これらを同じ一枠として扱ってしまうと、どうしても時間の取れる時にしか重い腰が上がらなくなります。
そこで、各タイトルに「サクッと(15時間以内)」「標準(40時間前後)」「どっぷり(60時間以上)」といったタグを付けてみました。これが生活リズムと見事に噛み合いました。
例えば、忙しくて平日の夜に少ししか時間が取れない時は「サクッと」枠のゲームを選び、たっぷり時間がある時は満を持して「どっぷり」枠の大作を起動する。自分の持ち時間とゲームのボリュームを照らし合わせることで、「せっかく始めたのに進まなくてイライラする」というストレスが解消されました。
ジャンルの味変で飽きを封じ込める
もう一つの工夫は、異なるジャンルを並行して管理することです。私はアクションRPGとシミュレーションゲームが好きですが、これらを「味変」として活用しています。
以前のように死にゲーばかりをプレイしていると、どうしても集中力が削られ、負けが続くと気持ちが沈んでしまいます。そんな時のために、リストには必ず「癒やし枠」のシミュレーションゲームを常駐させています。
手に汗握る死闘を繰り広げた後に、のんびりと農場を耕したり街を作ったりする。このジャンルの行き来が、脳の違う部分を使っている感覚があって非常に心地よいのです。一本のゲームをクリアするまで他には触れない、というストイックな縛りを捨てたことで、積みゲーの消化スピードはむしろ上がりました。
達成感を視覚化する楽しみ
ノートを運用し始めて気づいたのは、管理の目的は「消化」することだけではないということです。
クリアしたタイトルの状態を「クリア済み」に書き換える瞬間は、何物にも代えがたい達成感があります。また、ただ文字を変えるだけでなく、プレイ中に心に残ったシーンや、苦労して倒したボスのことなどを一言添えるようにしています。
これは自分だけの「ゲーム遍歴」の記録になります。数ヶ月後にノートを見返したとき、あのお正月に安売りで買ったゲームでこんなに楽しんだんだな、と思い出せる。クリア時にはプレイしたゲームの満足度の点数をつけるもの楽しいかも。
積みゲーは資産である
結局のところ、ゲームをたくさん買ってしまうのは、それだけ好奇心が旺盛であるという証拠です。無理に全部を急いで遊ぶ必要はありません。大切なのは、自分が持っているワクワクを忘れないように整理しておくことだと思います。
もし、ライブラリに眠る未プレイの山を見て溜息をついているなら、まずは一冊のノート(あるいはデジタルのメモ帳)を開いてみることをおすすめします。優先順位を決め、プレイ時間を調べ、今の状態を書き込む。
その作業が終わる頃には、きっと「このゲームをやりたい」という純粋な気持ちが戻っているはずです。次はどのゲームをプレイしようか。ノートを開くたびに、そんな贅沢な悩みに浸っています。


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