あれは、人混みの中で座っていた時のことです。
「あぁ、今日も誰かの足が臭いな。みんなもっとちゃんと洗えばいいのに」
そう思い、私は席を移動しました。ところが、移動先でも、あの強烈なニオイ、イソ吉草酸特有の酸っぱい、蒸れたようなチーズのニオイが漂ってくるのです。
そこで私は悟りました。周囲の誰かではなく、ニオイの発生源は……この私自身だったのだと。
あの時のショックといったら、表現しきれません。毎日、お風呂で足裏も指の間もゴシゴシ洗っている。それなのに、ニオイの発生源が自分だったなんて。
犯人は「靴でも靴下でもない」意外な場所
家に帰ってすぐ、私は恐る恐るニオイの検証を始めました。
まず、靴のニオイを嗅ぎました。しかし、予想に反して靴は臭くない。次に靴下を脱いで嗅いでみましたが、これも臭くない。
「あれ?じゃあどこから?」
さらに念入りに、靴下の親指が当たる部分を嗅いでみると……。ようやく、微かなニオイを特定できました。そして、その原因はすぐに判明したのです。
それは、親指の爪と皮膚の隙間。いわゆる爪垢が溜まる場所でした。
毎日指でこすり洗いしていただけでは、爪の奥深くに入り込んだ古い角質やホコリ、繊維のクズなどがごっそり残っていたのです。これが、靴の中で汗をかいた瞬間に雑菌のご馳走(エサ)となり、強烈なニオイを発生させていた真犯人でした。
100円のブラシが「ニオイの悩み」を根絶やしにした話
原因が分かれば、対策はシンプルです。
私がすぐに取った行動は、100円ショップへ行き、ネイルブラシを一つ買うことでした。
その日から、お風呂での私の足洗いの習慣は一変しました。
- まず足をしっかりお湯でふやかす。
- ボディソープをブラシにつけ、親指の爪の先端や両脇を優しく丁寧にブラッシングする。
- 指の股も、指先だけではなくブラシの毛先で掻き出すように洗う。
これを毎日続けること、たった数日で、足のニオイが完全に消えました。
高価な消臭スプレーも、特別な薬も必要ありませんでした。必要なのは、指では届かない場所に溜まった「ニオイ菌のエサ」を物理的に掻き出すという、このシンプルな習慣だけだったのです。
悩めるあなたへ。「爪の間」を洗ってみて!
もし、あなたがかつての私のように「毎日洗っているのに足が臭い…」と悩んでいるなら、ぜひ試してほしい。
原因は、あなたの衛生観念の問題ではありません。ただ、洗い方が「指でこする」で終わっているせいで、ニオイの発生源(爪垢)が残っているだけです。
100円のブラシを一本、お風呂に置いてみてください。
その一手間で、長年の足のニオイの悩みは驚くほどあっさり解決します。この小さな習慣の変化が、あなたの外出時の不安をきっと解消してくれるはずです。


コメント