今回の引っ越しにあわせて、数年使い続けてきたドラム式洗濯乾燥機を手放しました。新しく選んだのは、乾燥機能が付いていないごく普通の縦型洗濯機です。最新の家電からあえて機能を絞ったものへ買い替えたわけですが、実際に生活を始めてみると、想像以上に多くのストレスが解消されました。
以前の家は脱衣所が比較的広かったため、ドラム式を置いていても特に不自由を感じることはありませんでした。しかし、新居の洗面所はそれほど広くありません。もし前のドラム式をそのまま持ち込んでいたら、生活動線がかなり厳しくなっていたはずです。
物理的なスペースの問題と扉の干渉
ドラム式洗濯機の最大のネックは、その本体サイズと扉の開き方です。新居のような限られたスペースに設置すると、前に張り出す大きな扉がとにかく厄介な存在になります。洗濯物を出し入れするために扉を開けると、それだけで通路が完全にふさがってしまい、他の家族が洗面台に行ったり浴室から出たりすることができなくなります。
縦型洗濯機に変えたことで、この「通行止め」の問題が一切なくなりました。蓋を上に開ける構造なので、前方のスペースを気にする必要がありません。洗濯作業の最中でも横を通り抜けることができる。この「当たり前の動線」が確保されるだけで、狭い洗面所での家事効率は格段に上がりました。本体そのものがスリムになったこともあり、空間全体の圧迫感が消えたのも大きなメリットです。
かがむ動作と視認性のストレス
ドラム式を使っていた頃は、洗濯物を取り出すたびに深く腰をかがめる必要がありました。濡れて重くなった衣類を低い位置から引き出すのは、毎日のこととなると体への負担が無視できません。また、ドラムの奥の方はのぞき込まないと見えにくいため、小さな靴下などが張り付いて残っていても気づかないことがよくありました。
縦型は立ったままの姿勢で自然に中を見渡すことができます。上から覗き込めば、底にある小さなものまで一目で確認できるので、取り忘れがありません。中身がよく見える、そして無理のない姿勢で作業ができるというシンプルさが、これほど楽だとは思いませんでした。操作パネルも分かりやすく、余計な設定に悩まされることもありません。
メンテナンスの負担が劇的に減った
一番助かっているのは、メンテナンスの手間がなくなったことです。ドラム式の乾燥機能を使っていると、どうしても避けて通れないのがホコリの問題です。乾燥フィルターの掃除を毎回行うのはもちろんですが、厄介なのは掃除ができない内部のダクトなどに溜まっていくホコリでした。
以前、それが原因で故障してしまい、訪問修理を依頼したことがあります。修理スタッフの方に来てもらう調整や費用も負担でしたが、何より「自分では掃除できない場所にホコリが溜まっていく」という構造自体がストレスでした。内部を掃除するために掃除機を持ち出して格闘したこともありましたが、今の縦型にはそんな必要はありません。洗濯が終わったら糸くずフィルターをサッと空にするだけで終わりです。故障の不安を抱えながら使うこともなくなり、精神的な負担が軽くなりました。
衣類乾燥除湿機という代替案
乾燥機能がなくなった分、新居ではコンプレッサー式の衣類乾燥除湿機を導入して部屋干しにしています。ドラム式で乾燥まで仕上げたときの独特なニオイが気になっていたのですが、除湿機と部屋干し用洗剤の組み合わせに変えてからは、そうしたニオイの問題もなくなりました。
電気代に関しても、乾燥機を回すよりはるかに安く済みます。コンプレッサー式の除湿機は消費電力が小さいため、ドラム式のヒートポンプ乾燥と比較しても大きな差はないか、むしろ安く収まっている感覚があります。洗濯機本体の購入費用がドラム式の半分以下で済んだことを考えれば、トータルのコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
洗剤の選択肢と「きれいに洗える」安心感
縦型に変えたことで、洗剤の選択肢も広がりました。ドラム式は水量が少ないため、溶け残りのリスクがある粉末洗剤などは使いにくい面がありましたが、縦型なら気兼ねなく使えます。洗剤選びそのものに特別なこだわりがあるわけではありませんが、泥汚れがひどい時や、しっかり洗いたい時に洗剤の制約がないのは、道具として使い勝手が良いと感じます。
私は縦型に戻して満足
「洗濯物を干す」という工程自体は増えましたが、それ以上に「通路が広い」「掃除が楽」「腰が痛くない」といったメリットの恩恵を強く感じています。ドラム式が一番便利だと思い込んでいましたが、住む場所や自分の許容できるメンテナンスの手間を考えると、今の構成が自分にとっての正解だったようです。
新居での生活は、こうした小さなストレスの積み重ねを一つずつ解消していくことで、より快適になっていくのだと実感しています。
新しい家電を購入する際は機能や性能で選びがちですが、それ以外の使い勝手やメンテナンスの手間、そして何より「自分の生活に合っているのか」という点を忘れてはいけないことを今回の買い替えを通して、改めて深く実感しました。
どれだけ高機能で便利な家電であっても、それが自分の家のスペースを圧迫したり、日々のお手入れに追い回されたりするようでは、本当の意味で生活を豊かにしてくれる道具とは言えません。
「時短になるから」「みんなが持っているから」という世の中の基準ではなく、自分の家の動線はどうなっているか、自分がどの作業なら負担に感じないのか。そうした個別の事情を優先して選んだ結果、我が家にはこの「普通の洗濯機」が一番の正解でした。
新しい生活の中で、何気ない家事がスムーズに回る心地よさを大切にしながら、これからも自分らしい道具選びを続けていきたいと思います。


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