冬が来ると、洗濯は一大イベントになります。重ね着するので洗濯物が多くなりがち。日が短くなってなかなか乾かない。この問題を解決するために導入したのが、三菱電機の衣類除湿乾燥機、「サラリ」でした。
導入してからの春から秋は、本当に快適でした。夜に回して、朝にはカラッと乾いている。この感動体験のおかげで、私はもう雨の日も寒い日も怖くない、無敵の洗濯ライフを手に入れたと信じて疑いませんでした。
突然の乾燥ペースダウンに焦る日々
しかし、季節が移り、本格的な冬の寒さがやってくると、異変を感じ始めました。
いつもと同じように洗濯物を、同じ時間干しているのに、朝になってもどこか湿っぽい。特に厚手のトレーナーやジーンズのポケット部分は、「これ、本当に一晩中動いていたの?」と疑いたくなるほどの生乾き状態です。
「サラリ、まさか故障したんじゃないの?」
思わず本体を覗き込みました。ランプは正常、ファンも回っている。しかし、以前のような力強い「カラッと感」がない。機器から出てくる風も、なんだか冷たく感じます。以前なら、乾燥を終えた後の部屋は少し暖かくなっていたのに、冬場はただただひんやりとしています。
この乾燥ペースダウンは、生活リズムまで狂わせ始めました。翌日着たい服が乾いていないという、切実な問題が再燃したのです。乾燥時間を延長しても、電気代が上がるだけで、効果は薄い。このままでは、冬の間中、湿った服と戦うことになってしまう。
「室温」が鍵だった
あまりに乾かないので、これは何か根本的な原因があるに違いないと思い、除湿機の仕組みについて調べてみました。
私が使っている「サラリ」は、多くの除湿機と同じコンプレッサー式と呼ばれるタイプです。これは、簡単に言えば、部屋の空気を内部で冷やし、水滴に変えて取り除くことで湿気を取る仕組みです。
調べて分かったのは、「コンプレッサー式は、室温が低いと極端に能力が落ちる」ということでした。
冬の冷え切った部屋では、除湿機が内部で冷やす空気と、外の空気との温度差が小さくなり、効率よく水滴を作ることができなくなるのです。さらに、本体が冷えすぎると、内部に霜がついてしまい、それを溶かすための「霜取り運転」が頻繁に発生します。霜取り中は送風が止まるので、必然的に乾燥時間が長くなってしまう、という悪循環に陥っていたわけです。
私の「サラリ」は故障していたわけではなく、ただ寒さが苦手なだけだったのです。
暖房という最強のブーストを投入
原因が分かれば、対策はシンプルです。部屋を暖めて、除湿機が働きやすい環境を作ってあげる。これしかありません。
試しに、衣類乾燥除湿機を設置している部屋のエアコン暖房をつけて室温を上げてみました。室温は、除湿機の能力が最も発揮されると言われる20℃以上にキープ。そして、洗濯物を干し直し、「サラリ」を再び稼働させました。
結果は、まさに劇的な変化でした。
数時間後、部屋に入ると、ヒンヤリとした空気ではなく、程よく暖かく乾いた空気が満ちています。そして、夜が明けてチェックすると、あの生乾きで悩まされていた分厚いトレーナーも、驚くほどカラッと乾いているではありませんか。手触りも、春や秋に使っていた時と全く同じ、心地よい仕上がりです。
除湿機と暖房を併用することで、単に湿気が取れるだけでなく、温かい風が洗濯物の水分を効率よく蒸発させ、それを除湿機がしっかり回収するという、理想的な乾燥サイクルが生まれたのです。
結論:冬の「サラリ」には愛の手を
この体験から学んだのは、高性能な家電でも、その能力を最大限に引き出すためには、機器の特徴を理解して環境を整えることがいかに重要かということです。
コンプレッサー式の衣類除湿乾燥機「サラリ」は、冬場、ただ動かしているだけではその実力を発揮できません。寒い季節こそ、エアコンの暖房をプラスして、除湿機が快適に働ける温度を提供してあげる必要があります。
もし今、冬の部屋干しで「うちの除湿機、最近どうもやる気がないな」と感じている方がいたら、ぜひ試してみてください。
頼れる相棒「サラリ」は、あなたのひと手間を加えるだけで、冬でも最高の乾燥力を取り戻し、洗濯ストレスから解放してくれるはずです。


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