朝の時間は、なぜこうも短いのだろう。目覚ましが鳴ってから家を出るまでの間に、やることは山ほどある。着替え、朝食、荷物の確認、そして天気予報チェック。スマホを開いてアプリを立ち上げて…あれ、Wi-Fiが不安定?通知が山盛り?気づけばあっという間に出かける時間に。
そんな朝の混乱を救ってくれたのが、カシオの天気予報クロック「DWS-200J」だった。
時計なのに、しゃべる。しかも天気を。
この時計、ただの置時計ではない。Bluetoothでスマホと連携し、3時間ごとの天気を音声で読み上げてくれるという、まるで小さな気象予報士。しかも、温湿度も表示されるから、エアコンの設定にも役立つ。朝食を食べながら「今日は午後から雨です」と聞こえてくると、自然と傘を手に取るようになった。
リビングダイニングに置いておけば、時計を見るついでに天気も確認できる。何も考えずとも情報が目に入るこの感覚、まるで生活の中に天気予報が溶け込んでいるようだった。
傘忘れゼロの快挙
この時計を使い始めてから、傘を忘れることがなくなった。以前は、出かけた先で雨に降られ、コンビニでビニール傘を買うのが定番だった。家には同じような傘が何本も並び、まるで「傘の博物館」のようだった。
それが今では、朝の「今日は雨です」という一言で、傘を持つ習慣が定着。天気予報を調べるという行為が、意識しなくても済むようになったのだ。便利すぎて、もはや時計というより“生活のナビゲーター”と呼びたい。
しかし、時の流れは残酷だった
そんな「DWS-200J」の便利さを伝える記事を書こうとしたとき、悲しい知らせを見つけてしまった。メーカーサイトに掲載されたお知らせには、こう書かれていた。
【重要なお知らせ】 天気予報クロック DWS-200J 専用アプリ「CASIO CLOCK+」 サポート終了予定日:2025年8月31日 天気予報配信サービスは2027年3月頃をもって終了予定
えっ、ちょっと待って。今、朝のルーティンに完全に組み込まれてるんだけど?この時計がしゃべらなくなったら、誰が傘を持たせてくれるの?スマホ?いや、あの誘惑の塊に再び頼るのは危険すぎる。
アプリは使えるけど、未来は不安定
もちろん、今インストール済みのアプリはそのまま使えるらしい。でも、スマホのOSがアップデートされることで「予告なく使えなくなる可能性があります」とのこと。つまり、ある朝突然この便利な天気予報習慣が止まる可能性があるわけだ。
それはまるで、長年連れ添った相棒が急に無言になるようなもの。しかも、天気予報サービス自体も2027年で終了予定。あと約1年半の命。時計に寿命があるなんて、ちょっと切なすぎる。
それでも、今はまだ使える
とはいえ、今はまだ元気にしゃべってくれている。朝の「今日は晴れです」に救われる日々は続いている。だからこそ、今のうちにこの快適さを噛みしめておきたい。まるで、桜が散る前の花見のように。
そして、次の相棒探しもそろそろ始めなければならない。音声読み上げ機能付きの置時計、温湿度表示、スマホ連携なしでも使えるタイプ…理想の条件を並べながら、未来の朝を想像する。
時計はしゃべる、でも永遠じゃない
「DWS-200J」は、ただの時計ではなかった。天気を知らせ、傘を持たせ、快適な室温を導いてくれた。それが、あと少しで静かになるかもしれない。
でも、便利だったという記憶は残る。そして、その記憶が次の選択を導いてくれる。朝の快適さを守るために、ちょっとだけ“時計選び”に本気になってみようと思う。
それにしても、しゃべる時計って…やっぱりちょっと未来っぽくて好きだったな。
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