Bluetooth機器を使っていて、「ちょっと離れただけで接続が不安定…」と感じたことはありませんか?通信距離10mって書いてあったのに何で数mで切れちゃうの?それ、実はBluetoothの“クラス”の違いが関係しているかもしれません。
この記事では、Bluetoothの通信距離にまつわる「よくある誤解」と「本当の仕組み」を、図解とともにわかりやすく解説します!
そもそも「Bluetoothクラス」って何?
Bluetoothの「クラス」は、送信出力(電波の強さ)によって通信距離を分類したものです。規格のバージョン(5.0など)とは別物なので注意!
クラス別の通信距離と用途
クラス | 最大出力 | 通信距離の目安 | 主な用途 |
Class 1 | 約100mW | 最大約100m | 業務用機器・一部高性能イヤホン |
Class 2 | 約2.5mW | 最大約10m | スマホ・ワイヤレスイヤホン・マウス |
Class 3 | 約1mW | 最大約1m | 近距離用 |
「最大距離=実際の距離」ではない理由
Bluetoothの通信距離は、クラスだけで決まるわけではありません。以下の要因も大きく影響します。
- 障害物(壁・家具・人体):特に金属や水分は電波を遮断しやすい。雨の日に不安定になるなんて話も。
- 電波干渉:Wi-Fi(2.4GHz)や電子レンジや自動ドアが発する電波とぶつかると不安定に。
- 両方のデバイスのクラスが関係:片方がClass 1でも、もう片方がClass 2なら通信距離はClass 2に制限される。
- 日本の電波法制限:出力が抑えられているため、Class 1でも100m届かないことが多い。
実用的な選び方ガイド
✅ 家の中で使うなら
→ Class 2で十分。10m以内なら安定して使える
✅ 広い空間や屋外、部屋を跨いで使いたいなら
→ Class 1対応の両デバイスを選ぶと安心
✅ 音楽や通話の安定性を重視するなら?
→ Bluetooth 5.0以上 × Class 2以上 × BLE対応が理想
Class 1対応製品(長距離通信向け)
Class 1は最大約100mの通信距離を誇りますが、日本では電波法により出力が制限されているため、実際の通信距離は10〜30m程度が目安です。それでもClass 2より安定性が高い傾向があります。
🎧 オーディオ機器
- Sony WH-1000XM5(ヘッドホン) 高性能ノイズキャンセリング+Class 1対応で安定した接続性 → スマホ側もClass 1対応なら広範囲で快適に使用可能
- Jabra Elite 85h(ワイヤレスヘッドホン) Class 1対応でオフィスや屋外でも安定した通話・音楽再生
💻 PC用Bluetoothアダプター
- ASUS USB-BT500(Bluetooth 5.0対応) Class 1対応のUSBアダプター。PCをClass 1化して通信距離を拡張 → マウス・キーボード・イヤホンなどの接続安定性が向上
- Plugable USB Bluetooth Adapter(Class 1) 米国で人気のClass 1対応アダプター。LinuxやWindowsで広く使われています
Class 2対応製品(日常使用向け)
Class 2は最大約10mの通信距離で、スマホ・イヤホン・マウスなどのほとんどがこのクラスです。省電力性と安定性のバランスが良く、家庭やオフィスでの使用に最適。
🎧 ワイヤレスイヤホン
- Apple AirPods(第2世代以降) Class 2対応。iPhoneとの相性抜群で安定した接続
- Anker Soundcore Liberty 4 NC 高コスパでClass 2対応。ノイズキャンセリングも優秀
🖱 マウス・キーボード
- Logicool M337 Bluetoothマウス Class 2対応。省電力で長時間使用可能
- Microsoft Designer Compact Keyboard Class 2対応。スタイリッシュでBluetooth接続も安定
⌚ スマートウォッチ
- Fitbit Versa 3 / Sense Class 2対応。スマホとの連携がスムーズ
- Garmin Venu Sq 2 Class 2対応。フィットネス機能+Bluetooth通知連携
よくある誤解を解くQ&A
Q:Bluetooth 5.0なら100m届く? → ❌ それは「理論上の最大値」。実際はクラスや環境次第です。
Q:スマホとイヤホンの距離が5mで途切れるのは故障? → ❌ たいていは障害物や干渉が原因。Bluetoothの仕様上、よくあることです。
まとめ
Bluetoothの通信距離は「クラス」「環境」「デバイスの組み合わせ」で決まります。“最大100m”という数字だけを信じると、思わぬ不安定さに悩まされることも。
この記事を参考に、自分の使い方に合ったBluetoothクラスを選んで、快適なワイヤレスライフを手に入れてください!
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