体育の授業や外での運動のあと、汗で服がびしょびしょになって冷えてしまった経験、誰にでもあるんじゃないだろうか。そんなときに活躍するのが、服の下に着ておいて、運動後にサッと引き抜ける「汗取りタオル」。
北国では「スキータオル」、奈良では「マラソンタオル」、最近では「汗取りインナータオル」として市販されている。呼び方は違っても、どれも目的は同じ。汗を吸って、冷えを防ぎ、着替えを快適にするためのアイテムだ。
地域の知恵から生まれた、手作りの工夫
昔は、家庭で手作りするのが当たり前だった。北国では寒さ対策として、スキー授業のためにおかあさんが作ってくれたスキータオル。奈良では、マラソン大会や体育の授業に向けて、フェイスタオルに首を通す穴を開けたマラソンタオル。どちらも、子供の成長に合わせてサイズを調整したり、肌に優しい素材を選んだりと、使う人への思いやりが詰まっていた。
ある冬の日、スキー授業のあとに着替えようとしたら、インナーが汗で冷たくなっていて、寒さが肌にしみた。でも、服の下に仕込んでいたスキータオルを引き抜いた瞬間、冷えの不快感がすっと消えた。あの「守られてる感じ」は、今でも忘れられない。
手作りするなら、素材選びがカギ
汗取りタオルを手作りするなら、薄手の綿タオルがおすすめ。綿素材は吸水性が高く、肌触りも柔らかいので、汗をしっかり吸いながら肌を傷めにくい。しかも、薄手なら洗濯しても乾きやすく、毎日の使用にも向いている。
逆に、吸水性が高くても分厚いタオルは乾きにくく、着けたときにゴワつきやすい。運動後の着替えで素早く汗を処理するには、軽くて扱いやすい素材がベスト。
さらに、縫い目の工夫も重要。縫い目が分厚くて出っ張っていると、肌に食い込んで着け心地が悪くなることもある。特に首元や肩に当たる部分は、フラットに仕上げると快適さがぐんとアップする。
市販品という新しい選択肢
最近では、汗取りインナータオルとして市販されている商品も増えてきた。首からかぶるタイプ、サイドオープン型、消臭機能付きなど、バリエーションは豊富。脇が縫われていないタイプもあり、服の下からスルッと抜き取れる工夫がされている。
手作りが難しい人でも、すぐに使えるのがありがたい。ある日、屋外イベントに参加したとき、汗取りインナータオルを使っていたおかげで、着替えのときに周囲を気にせずスムーズに汗処理ができた。その快適さに「これ、もっと早く知っていれば…」と本気で思った。
呼び方が違っても、使い方は同じ
スキータオルも、マラソンタオルも、汗取りインナータオルも、基本的な使い方は同じ。服の下に着ておいて、運動後にタオルだけを引き抜く。汗を吸った部分が一気に取り除けるから、冷えのリスクを減らせるし、着替えもスムーズ。
特に寒い地域では、汗が冷えることで体温が奪われるリスクが高い。スキー授業のように気温が低い中での運動では、汗取りタオルの効果は絶大。逆に、夏の体育やマラソン大会では、汗の量が多くなるぶん、吸水性の高い素材が活躍する。
タオル一枚で変わる快適さ
呼び方や作り方は違っても、汗取りタオルの目的はひとつ。「汗を吸って、冷えを防ぎ、快適に着替える」。昔は手作りが主流だったけれど、今は市販品という選択肢も増えて、誰でも気軽に使えるようになった。
素材選びや縫い方にこだわれば、手作りでも十分に快適な一枚が作れる。体育の授業、スキー、マラソン、屋外イベント…どんな場面でも、タオル一枚が快適さを大きく左右する。
次に運動するときは、ぜひ一枚仕込んでみてほしい。きっと「これがあるだけで、こんなに違うんだ」と実感できるはず。恥ずかしがらずに着けてみへ!


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