最近、いろいろな場面で「終活」という言葉を耳にするようになりました。これまでは、自分にはまだ早い、あるいはどこか遠い未来の話だと思って、なんとなく聞き流していたのが本音です。終活と聞くと、人生の店じまいをするような、少し寂しいイメージを持っていたのかもしれません。就職活動をもじったダジャレなのでしょうけど名称がよくないですよね。
でも、最近の終活事情を調べてみると、どうやら私が思っていたものとは少し違うようです。それは単なる死への準備ではなく、今という時間をより身軽に、そして大切に生きるための「情報の整理整頓」なのだと気づきました。
いつ、どこで、何が起きるかは誰にも予測できません。もし今日、突然病気になったり事故に遭ったりしたら。そう考えたとき、自分の周りには整理できていないことがあまりに多いことに気づき、少しずつでも準備を始めてみようかな、という気持ちになりました。
まずは身の回りの物と情報の整理から
終活の第一歩として多くの人が取り組んでいるのが、持ち物の整理、いわゆる断捨離だそうです。家の中にある膨大な物を、自分が元気なうちに把握し、管理しやすい量まで減らしておく。これは残された家族の負担を減らすためでもありますが、何より今の自分が快適に暮らすために必要なことだと思えます。
そして、今の時代に欠かせないのが情報の整理です。銀行の口座や保険、クレジットカードの情報はもちろん、最近はスマートフォンの中にあるデータの扱いが大きな課題になっています。ネット銀行や証券口座は紙の通帳がないことも多く、本人がログインできなくなれば、家族はその存在すら知ることができません。
また、毎月自動で引き落とされるサブスクリプションサービスも、整理しておかないと支払いが延々と続いてしまいます。こうした「目に見えない契約」をリスト化しておくことは、現代における非常に重要な備えだと言えます。私もまずは、自分がどのサービスに登録しているのかを書き出すところから始めてみるつもりです。
思い出と意思を言葉にしておく大切さ
物や情報の整理に続いて考えたいのが、自分の意思を形にしておくことです。もしもの時にどんな医療を受けたいか、介護が必要になったらどうしてほしいか。こうした希望をあらかじめ周囲に伝えておくことは、自分自身の尊厳を守るだけでなく、判断を委ねられる家族の心理的な負担を軽くすることにもつながります。
さらに、これまでの人生で積み重なってきた思い出の整理も、これからの楽しみになりそうです。山のようにある写真を整理して、本当に大切にしたい数枚を選び出す。そんな作業を通じて、これまでの歩みを振り返り、自分にとって何が本当に大切なのかを再確認できる気がします。中には誰にも見られたくない思い出もあると思います。他の人に見られないようにしておくのも良いでしょう。
また、普段はなかなか口にできない感謝の言葉を、手紙やノートに書き留めておくのも素敵です。それは形式的な書類ではなく、自分という人間がどう生きてきたかを伝える、温かなメッセージになるはずです。
気負わずに今の自分ができることから
こうして考えてみると、終活は決して高齢になってから始めるものではなく、思い立った時にいつでも取りかかれる、とても前向きな活動なのだと感じます。年齢に関係なく、今をより良く生きるための「人生の棚卸し」と言い換えてもいいかもしれません。
もちろん、一度にすべてを完璧にやろうとすれば、途中で疲れてしまいます。だから私は、まずは気負わずに、日常の延長線上でできることから少しずつ手をつけてみようと思います。
今日は使っていないアプリを一つ削除してみる。明日は引き出しの中を一箇所だけ整理してみる。そんな些細なことからで十分です。重い腰を上げて一気に片付けるのではなく、日々の暮らしの中で「もしもの時のためのメモ」を少しずつ増やしていく。その積み重ねが、未来の自分や大切な人への、何よりの安心材料になるのだと信じています。
テンプレ項目まとめ
1. 基本情報(自分について)
意外と家族が正確に知らない情報です。
- 氏名・生年月日・本籍地
- マイナンバーカード・年金手帳の保管場所
- スマホ・PCのロック解除パスワード(最重要!)
- SNSアカウント(消去するか、残すか)
2. お金と契約(財産について)
「どこにいくらあるか」を明確にします。
- 銀行口座: 金融機関名・支店名(ネット銀行は忘れずに!)
- クレジットカード: 利用しているカード会社
- 保険: 生命保険・医療保険の会社名と証券番号
- 不動産: 自宅の権利証などの保管場所
- サブスク: Amazonプライム、Netflix、アプリ課金など(月額費が発生するもの)
3. 医療・介護(もしもの時)
自分の意識がはっきりしない時の「意思表示」です。
- 持病・アレルギー・服用中の薬
- かかりつけ医の連絡先
- 延命治療: 希望する or 希望しない(胃瘻、人工呼吸器など)
- 介護: どこで受けたいか(自宅 or 施設)、誰に頼みたいか
4. 葬儀・お墓(身仕舞い)
残された人が一番迷うポイントです。
- 葬儀の規模: 家族葬、一般葬、直葬(火葬のみ)など
- 呼びたい友人・知人: 連絡先リスト
- お墓: 既存のお墓に入る、新しく探す、樹木葬、散骨など
- 遺影: 使ってほしい写真の指定(スマホのフォルダ名など)
5. 大切な人へのメッセージ
法的なこと以外で、伝えておきたいこと。
- 家族や友人への感謝の言葉
- 形見分け: 「この時計は〇〇さんに」などの希望
- ペットの今後: 預け先や世話の頼み事


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